GOTH 僕の章 乙一 空気の読めるサイコパスな高校生

空気の読めるサイコパスな高校生が主役。俗にいう中二病の要素がぎっしりつまったキャラクタだ。彼に自己を投影しながら読む人は少ないはずだが、ここまで徹底していると反対にある程度好感がもててしまう。夜の章と同様に各短編の質は高い。気どった言いまわしはなく、複雑な思考を辿らせる仕掛けも使われていないのでスラスラと読める。

一生太らない体のつくり方 石井直方 徹頭徹尾王道

たった八年前に出版された本だというのにやたらと古臭く感じる。糖質制限ダイエットが広まり、馬鹿高い料金が必要なかわりに短期間で凄まじい結果を出し続ける例のプライベートジムが全盛の時代だからだろうか。

ここに書かれている内容で奇をてらうものは何一つなく、徹頭徹尾王道をいってる。リバウンドするので食事を減らすな(過剰に脂肪を蓄えている人を除く)週二回筋トレして筋肉量を増やせいうもの。これが守れる人は必ず痩せられるだろうが、それが難しいという人も多いのだろうな。

モテる技術 デイビッド・コープランド,ロン・ルイス 脱コミュ症や、自己啓発の本としても機能する

なかばネタで購入したというのに真剣に読んでしまった。男女が知りあって互いに興味を持ち合うまでの過程に興味がある人にはおススメの内容。ありがちな意見も多々あるんだけど、ハッとさせられることも、うなずける手口や状況が少なくなくてこりゃ本物だと思ったね。昔、職場にいたナンパ師はたぶんこの本を読んでいたんじゃないかな、彼が言っていたのとほとんど同じ教訓が載っていたから。脱コミュ症や、自己啓発の本としても機能するので、読みたい人はブックオフに行き、恥を忍んで約100円で購入しましょう。

無印良女 群ようこ ほぼ自虐ネタと変人ネタ

作者本人と身内の恥で構成されたエッセイ。近年だと日常系の漫画も似たようなテイストか。ほぼ自虐ネタと変人ネタしか扱っていなくても、最初から期待して読んだわけではないので、まあこんなもんかという感じ。昼食や、ちょっとした空き時間にサクッと読めればそれで満足なのだ。

トラウマが99%消える本 中島輝 不幸の総合商社のような人生を歩んできた著者

図書館の棚を見ていたとき、閉店バーゲンセールス品のような気前のいいタイトルに導かれ手にとった一冊。不幸の総合商社のような人生を歩んできた著者(しかし実家は会社経営、のち本人も社長になる)の晴れやかな顔と美しい青空が表紙を飾っている。よくある自己啓発モノをまとめたタイプの本なんだろうな、と思っていたところまったくのその通りであった。スペースと段落をふんだんにとった視覚的にもサクッと読める一冊。内容はアマゾンレビューの人たちと大差ない感想かな。良いことも書いてるし、浅くもある。

砂にかいたラヴ・レター 喜多嶋隆 頭を使わずに読める貴重な作家

恋にうとい中学生男子でも下を向いて赤面しそうなタイトルはパットブーンの名曲から引用されている。それにしても物凄い題名をつけたものだ。頭を使わずに読める貴重な作家である喜多嶋隆は、気分転換のときにしか読む気が起こらないがその分だけ重宝している。短編が三作収録された今作も、氏のお馴染みのテーマである夏と海と爽やかな若者の恋愛にそって描かれ、破綻も驚きもなく、気持ちよく読了できた。

「からだ」と「ことば」のレッスン 竹内敏晴 その筋では名の知れているらしい「竹内レッスン」というワークショップの記録をつづった新書。

日常生活における他者とのファーストインプレッションを即興性の演劇として劇団員(?)に演じさせ、その行動、表情、変化、感想を客観的な視点で書かれてある。実のところ、読んだだけではあまり得心がいかなかった。やはり、己の体をつかって自分で演じてみないとよくわかない内容なのだろう。