図解 思考は現実化する―金持ちビジネスマンになるための17の方程式(ゴールデンルール) 有名すぎて手を出しかねていた本の簡易図解版

要点を十七の方程式として書き出しており、ページ数も少なめなので気楽に読める一冊。読んで思ったことは、ライフハックや様々な自己啓発本の類はこの本が元ネタになっているのではないか、ということ。目的の明確化、集中力の重要性、行動の習慣化は頻繁に…

ツイン・ルームから海が見える 喜多嶋隆 どの短編も魅力的な女性が現れては主人公に淡い印象を与えて消えていく

ハワイにあるホテルのライフガード兼保安係である日系人が主人公。どの短編も魅力的な女性が現れては主人公に淡い印象を与えて消えていく。主人公の感情が語られることはあまりなく、カメラのような視点の進行係として機能している。作品で驚かされたのはあ…

GOTH 夜の章 フィクションとはいえ、夜とは凄い名前ですな

ビートルジュースに出演していた頃のウィノナ・ライダーに似ているというヒロイン。フィクションとはいえ、夜とは凄い名前ですな。日本ではゴシックやゴスというとコスプレ文化でしかないけれど、本場の人たちはジョックに殴られながらも、ドラキュラ研究や…

GOTH 僕の章 乙一 空気の読めるサイコパスな高校生

空気の読めるサイコパスな高校生が主役。俗にいう中二病の要素がぎっしりつまったキャラクタだ。彼に自己を投影しながら読む人は少ないはずだが、ここまで徹底していると反対にある程度好感がもててしまう。夜の章と同様に各短編の質は高い。気どった言いま…

一生太らない体のつくり方 石井直方 徹頭徹尾王道

たった八年前に出版された本だというのにやたらと古臭く感じる。糖質制限ダイエットが広まり、馬鹿高い料金が必要なかわりに短期間で凄まじい結果を出し続ける例のプライベートジムが全盛の時代だからだろうか。 ここに書かれている内容で奇をてらうものは何…

モテる技術 デイビッド・コープランド,ロン・ルイス 脱コミュ症や、自己啓発の本としても機能する

なかばネタで購入したというのに真剣に読んでしまった。男女が知りあって互いに興味を持ち合うまでの過程に興味がある人にはおススメの内容。ありがちな意見も多々あるんだけど、ハッとさせられることも、うなずける手口や状況が少なくなくてこりゃ本物だと…

無印良女 群ようこ ほぼ自虐ネタと変人ネタ

作者本人と身内の恥で構成されたエッセイ。近年だと日常系の漫画も似たようなテイストか。ほぼ自虐ネタと変人ネタしか扱っていなくても、最初から期待して読んだわけではないので、まあこんなもんかという感じ。昼食や、ちょっとした空き時間にサクッと読め…

トラウマが99%消える本 中島輝 不幸の総合商社のような人生を歩んできた著者

図書館の棚を見ていたとき、閉店バーゲンセールス品のような気前のいいタイトルに導かれ手にとった一冊。不幸の総合商社のような人生を歩んできた著者(しかし実家は会社経営、のち本人も社長になる)の晴れやかな顔と美しい青空が表紙を飾っている。よくあ…

砂にかいたラヴ・レター 喜多嶋隆 頭を使わずに読める貴重な作家

恋にうとい中学生男子でも下を向いて赤面しそうなタイトルはパットブーンの名曲から引用されている。それにしても物凄い題名をつけたものだ。頭を使わずに読める貴重な作家である喜多嶋隆は、気分転換のときにしか読む気が起こらないがその分だけ重宝してい…

「からだ」と「ことば」のレッスン 竹内敏晴 その筋では名の知れているらしい「竹内レッスン」というワークショップの記録をつづった新書。

日常生活における他者とのファーストインプレッションを即興性の演劇として劇団員(?)に演じさせ、その行動、表情、変化、感想を客観的な視点で書かれてある。実のところ、読んだだけではあまり得心がいかなかった。やはり、己の体をつかって自分で演じて…

ファミリー 森村誠一 間違った意味での家族愛が描かれた作品

作品の大部分は豪邸内で展開するため、狭義では密室モノにカテゴライズされるかもしれない。面白いことは面白いのだけど、EU圏のホラーのようにもっとメチャクチャな展開があればよかったかな。

<不良>のための文章術  永江朗

タイトルの不良とはプロのライターを指している。扇情的な表題のわりには保守的な内容ではあったが、ブログやSNS上に書く日記にも使えるテクニックが書かれていたので一読した価値はあった。とりわけ、文章の削りかたと漢字の開きかたは添削の例が複数だ…

フーコー入門 中山元

また同じ轍を踏んでしまった。もちろん確信的にだ。どの哲学書でもそうだが、読んでいる時は作者の思想や論理をある程度理解している気になってはいる。しかし、本を閉じ、さあ何が書かれていたか思いだしてみようじゃないかと頑張った瞬間、まるで急性の健…

美しき拷問の本 桐生操

この手の処刑や拷問を扱った悪趣味な本は、ネットが一般化する前だともっと価値があった。読みすすめるほどに単調な一口話としてしか感じられなくなってしまうのは、ネット上にもっと過激な動画が殺人や暴力動画がいくらでも転がっている現実があるからだろ…

美しき殺人法100 桐生操 タイトルに偽りあり

タイトルに偽りあり。悪趣味処刑法100とでもしておくのが適当か。一口話を求めている人にはよいかもしれないが、数を打つことによってそれぞれのエピソードの純度が落ち、中途半端なものとなっている。

危険な文章講座 山崎浩一 文章読本界のアンチヒーローな一冊

文章読本界のアンチヒーローな一冊。この種の本にはびこる既成概念をぶっ壊そうとした挑発的な内容は珍しい立ち位置にある。この点だけでも本屋で立ち読みするか、図書館で借りるくらいの価値はあるのではないか。残念なのは作者のスタイルと刺激になれた中…

ゲームにすればうまくいく―<ゲーミフィケーション>9つのフレームワーク 深田浩嗣 

ゲーミフィケーションをわかりやすく説明した本。 ゲーミフィケーションとは、本書の言葉を借りれば「ゲームの要素をゲーム以外の領域で活用していく」ことだ。Gデザインブロックという聞きなれない言葉を九つのブロックに分け、現実のビジネスの成功例とい…

別役実の犯罪症候群  別役実 学術書のようなつまらなさ

パラパラやって、力のこもった文章にひかれて読書を始めた。クレッチマーの系譜である犯罪心理学の立場から書かれたものかと思いきや、作者の観念的な主張が綴られた実に読むにたえないものだった。全編がこれ、教科書のような、学術書のようなつまらなさと…

愛は勝つ、もんか 姫野カオルコ 直木賞作家による自虐臭漂う恋愛エッセイ

直木賞作家による自虐臭漂う恋愛エッセイ。少女漫画にありそうなキャッチーなタイトルは作中でもけなしまくっているKANのメガヒット曲、「愛は勝つ」からとっているのだろう。作品はもっぱらシモネタと愚痴でしめられているが、個人ブログや掲示板の書き込み…

すごいっ!ミステリーはこんなふうにして書く―傑作ミステリーを作り上げる作家たちの創作術 女性文学会 

とにかく読み込んでみる。 徹底的に分析する。 要約し、図式化し、フローチャートにして、論旨の流れを明確につかむ訓練をする。 具体的に文章を図式化してみると、視覚的にわかってくる。 指示代名詞、人称代名詞を用いる場合は、それが何を代用しているの…

一瞬で信じこませる話術コールドリーディング 石井裕之 一時期から頻繁にきくようになった言葉

一時期から頻繁にきくようになった言葉「コールドリーディング」。占い師、詐欺師、営業の人が意識的、無意識的にもちいているテクニックだそうだ。本書はそのテクニックや手口の一端をかいつまんで紹介している。 万人にわかりやすく説明しているため、もの…

いつか誰かが殺される 赤川次郎 プロフェッショナルだなあ、という読後感

どの作品を読んでもそれなりに面白い作家だが、逆に言えばホームラン級の作品はまったくない。せいぜい二塁打止まりなのだ。大金持ちの余興からはじまった犯罪劇を磐石の筆で読ませてくれる。物語に意外性はなく、登場人物たちは役割どおりに、時にコミカル…

愛がなんだ 角田光代 イライラしながらも楽しく読めた

都合のいい女の片想い。主人公の女性は健気ではなく馬鹿なのだけど、恋愛真っ只のときは誰だって似たようなことを感じたり思ったりするのではないか。 主人公は仕事にも支障をきたし、迷うことなく退職し、健康ランドでバイトをしながらいつ鳴るとも分からぬ…

罪と罰  ドストエフスキー 変態紳士のスヴィドリガイロフの役割も大きい

我ながら褒めてやりたい。かなり昔に新潮の工藤精一郎 訳を超特急で一度読んだきりだというのに、ちゃんと内容を覚えていた。単に話の展開だけではなく、会話の内容、描写の細部までもがページを手繰るたびにグングン甦ってきた。今回は講談社 北垣信行 訳を…

平家伝説 半村良 純朴な青年の童貞喪失譚と失恋にページの大部分がさかれている

トンデモ本といっても差し支えない一冊。タイトル通り平家のある伝説のひとつが作品の核となっているものの、その実、純朴な青年の童貞喪失譚と失恋にページの大部分がさかれている。全体の三分の一を読み終えたとき、いったいいま自分は何を読んでいるのだ…

結局、自分のことしか考えない人たち サンディホチキス この本は結構ヘヴィだ 

この本は結構ヘヴィだ。主に環境などの後天的な素養により未熟な自我のまま成長した自己愛人間(ナルシスト)の人たちの本性を丸々一冊を使ってこれでもか!と、暴き立てている。人によっては二度と立ち直れないくらいショックを与えることも可能な劇薬。く…

ミカ×ミカ!  伊藤たかみ 性に対する葛藤が書かれていないのは残念

前作はキャッチーで小気味よい快作だった。今作を読み進める内にちょっと落胆してしまったのは、小学生だった頃と中学生の現在との違いがほとんどないことだ。現実の六年生と中学二年とではかなり差があるというのに、主人公は小学生のときから変っていない…

笑ってケツカッチン  阿川佐和子 子供や孫に囲まれた生活の空想を披露している回があるが、そこだけは寒気がするほど切ない

有名作家を父親に持つコメンテーター、知的でいつまでも可憐な雰囲気を失わない稀有な女性。これが本を読む前に作者に持っていたイメージ。内容もそこから大きく逸脱しない。自身の思い出や家族の話題を中心に、自虐と暖かな諧謔を散りばめながら綴られる。…

那覇心中 梶山季之 タイトル作は二十三歳と七十歳のおばあさんとのおぞましい恋を描いた怪作

いずれもストレートに心中事件を扱い、狂言回しが関係者を訪ねてミステリーよろしく死因や動機が判明するプロット。 那覇心中は二十三歳と七十歳のおばあさんとのおぞましい恋を描いた怪作。スワッピング心中はショッキングな死体の有様に黒い笑いがもれる。…

なまけ者のさとり方 タデウス・ゴラス あまりないタイプの読み心地

やる気のないタイトルが笑えたので読むことにした。ジャンルはニューエイジ系の自己啓発本にあたり、「人は平等」と「さからわないこと」という言葉がなんども繰り返されている。精霊や宇宙の話をされると首をかしげてしまうのが我ながら日本人らしいけど、…