新宿鮫 大沢在昌 いかにも小説家が金のために書きましたといった作品

日本のハードボイルドは、作者が主人公の活躍に酔いながら書いているようでずっと敬遠してきたジャンルだ。今回読んだ新宿鮫は、ずっと前からタイトルだけは知っていたが読む必要はないと考えていた。ついつい古本屋で買ってしまったのは私が酒に酔っていたからだろうか。

感想は……普通すぎて物足りなかった。キャラクタ造形も設定もイマイチ、緊張感や意外な展開、ニヤリとできる要素も皆無。ストーリーの密度が薄く、いかにも小説家が金のために書きましたといった作品。比喩や描写を極端に廃したドライな文体はすっきりして読みやすかった。だが、あとは何もない。ない! もっとも、著名な賞を複数受賞していたり、数百万冊もヒットした作品なんだから、大多数の人は楽しめているはずだ。ただ自分に合わなかっただけなんだろう。