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幸荘物語 花村萬月 作者の感性が七十年代のままで止まっている

見事なまでに作者の感性が七十年代のままで止まっているため、舞台とキャラクターの設定が相当に古い。

大昔に書かれたライ麦や路上の感性は現代でも有効だというのに、この作品の駄目さ加減はなんなんだろう。

読むのが辛くなるような本ではない。文体も後半の一部以外はひたすら軽く、定期的にイベントが起こるように配置されたプロットには先を読みすすめたくなる力がある。

思うに、作者が青春を過ごした七十年代の気持ちのままで九十年代の二十代の若者を書こうとしたところに今作の気持ちの悪さの根っこがあるのかもしれない。

七十年代を舞台にしておけばずっと良かったのにね。