南回帰線 ヘンリー・ミラー 普通の本しか読まない人ならば読破を諦めて本を閉じてしまうのではないだろうか

セリーヌの某作みたいな陰鬱な愚痴をひたすら吐きつづけるスタイルは読む人を選ぶに違いない。上巻の中盤以降、バロウズ裸のランチを髣髴させる性的でファンシーな描写が増える頃には、普通の本しか読まない人ならば読破を諦めて本を閉じてしまうのではないだろうか。しかしながら、たまさか現れる名言や、黒い笑い、得体は知れないものの何かに圧倒される力を感じられる作品であることは間違いない。