人間の証明  森村誠一 四つの流れが進行していくストーリーは読み応え抜群

有名すぎてなかなか手を出せずにいた作品。話や展開がハリウッド映画ばりにご都合主義的すぎる部分があるが、四つの流れが進行していくストーリーは読み応え抜群だった。視点を持つ登場人物が多いため、人間の様々な感情がこれでもかと練り込まれているのがなんとも贅沢。また、作中の自然描写も美しく、麦藁帽子の詩とともに郷愁が呼び起こされる。主要のキャラクタは皆、屈折したところがあるが、その不器用さが作品に深みを与え、多面的な印象を持てるようになっている。