別れ上手 森瑶子 親切やいたわりの心が老いた人には孤独や甘えを与えるなんて、哀しくも美しい戒めではないか

不倫や男女の恋愛について書かれたエッセイ。この作者の特徴として、バブリーな表現と浮ついた描写があるのだけど、時代性を考慮すればそれが作者のリアルなわけで、現代に生きる私としてはいい時代だったんだな、と多少は羨む余裕もできた。ベタベタした不倫や別れといった食傷気味のトピックの中に挿入されたイギリス人の旦那の実家へ行ったときの話が本作のハイライト。親切やいたわりの心が老いた人には孤独や甘えを与えるなんて、哀しくも美しい戒めではないか。