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8月のカモメたち 喜多嶋隆 作者の定番である夏と海を舞台にした爽やかな青春小説

作者の定番である夏と海を舞台にした爽やかな青春小説。これまでに読んだどの作品よりも一文が長く感じられたのは植物や太陽といった風景描写が多いからだろうか。主役は両親の代わりに祖父祖母の元で育てられた十代の密漁女子が配置されている。彼女は金銭面で苦労しており、恋愛や遊びよりも日々の生活に追われて同世代の友達とは疎遠がちだ。戦利品の貝類を売りさばくときにバーの店主と知り合い、やがてその店で時給千円で働くようになる。あるとき彼女は客から青春小説を書くように勧められ……ラストの展開がやや唐突だが、読後感は悪くない。