平家伝説 半村良 純朴な青年の童貞喪失譚と失恋にページの大部分がさかれている

トンデモ本といっても差し支えない一冊。タイトル通り平家のある伝説のひとつが作品の核となっているものの、その実、純朴な青年の童貞喪失譚と失恋にページの大部分がさかれている。全体の三分の一を読み終えたとき、いったいいま自分は何を読んでいるのだろうと、いぶかしんでしまったほどだ。トンデモの極めつけはラストである。不自然に語られるその話題をまさか本気でそこへ絡めてくるとは……珍妙すぎるプロットにしばしあっけにとられてしまった。