愛がなんだ 角田光代 イライラしながらも楽しく読めた

都合のいい女の片想い。主人公の女性は健気ではなく馬鹿なのだけど、恋愛真っ只のときは誰だって似たようなことを感じたり思ったりするのではないか。

主人公は仕事にも支障をきたし、迷うことなく退職し、健康ランドバイトをしながらいつ鳴るとも分からぬ携帯をポケットに入れて呼び出しを待ち続ける。物語は一人の女性の登場により動き出し、微妙な余韻を残したまま終わる。女性作家の本にはあまり手を出すことがないため、空想と自己嫌悪をトッピングした甘くポップな語り口や心理描写は新鮮で、イライラしながらも楽しく読めた。